清朝時代の衣服をさす

旗袍とは中国語で清朝時代に広く着られた衣服を指し、立襟、前身頃の深い打ち合わせ、紐ボタンを特徴としております。日本では多くの方がチャイナドレスと呼んでいる中国服のことを指します。旗は旗の意味、袍は覆うことです。 

 中国で清朝が明朝にとって代わった後、清国政府は八旗という軍事・行政組織をつくり国を守っていました。初めの八旗は清国を成立させた満族だけで組織されましたが、後に漢族、蒙古族からも編成されました。

 八旗は旗の色と旗を取り巻く飾りとで識別されています。八旗に所属する人たちは旗人と呼ばれ、八旗の家族の女性は旗女と呼ばれていました。

 騎馬民族の様式が浸透             

 中国の長い歴史の過程で服飾の流れは広大な土地、異民族との交流、政権の絶え間ない交代などの中で幾多の変遷を経、清代になると騎馬民族のもたらした様式が浸透し、旗袍の原型が現れてきました。

 清朝はかってないほど服飾に関する規則を作り、個人はその服装によって自己の地位や権威を表し、旗人はそのことを守り、従わなければなりませんでした。また旗人の地位にならい旗女の服装も夫や親の立場に従わなければなりませんでした。

 そういったことから旗人の着る服を旗袍といいましたが、後には旗女の着るものだけを旗袍というようになりました。清朝時代の旗袍は上下に分かれたものと上下が続いたものとがあり、全体に平らでゆったりとしたものでした。

          

inserted by FC2 system